小松ー羽田の住人

福井県と東京都を軸に活動しています。自転車に乗ります。

潮騒の聖地と伊勢を巡る神島の旅

※執筆を最後に行っていたのが2年以上前となっており、2日目途中で更新が切れています。ご了承ください。

 

潮騒の聖地と伊勢を巡る島旅!

 

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三重県鳥羽市、神島は、三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台である

 

文明から孤絶した、海青い南の小島

そこにはショッピングセンターやパチンコ屋はなく、道路は港から一キロもいかないうちに消滅してしまう

周囲4kmに満たない、本州から隔てられたこの小さな島

 

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名作の世界にまさか足を踏み入れられるなんて思ってもいなかった

電車とバスと連絡船で巡った、渥美半島から伊勢までの旅の記録

 

1日目

当初は自転車を使った旅にしようと考えていたが、急遽予定を変えて電車を乗り継いで豊橋まで向かうことに

荷物をバックパックに詰め替え、まずは新宿駅

 

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新宿駅湘南新宿ラインが発着しており、自分にとっては東海道方面へ向かうときの玄関口

 

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行くぞ!(普通電車で)

 

普通電車にのんびり揺られながら西へ西へ

出発が15時頃だったので、お腹が空く時間帯に静岡県に差し掛かった

 

ということは…行くしかないでしょ!

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掛川駅で途中下車し、20分ほど歩いてさわやか掛川本店へ

 

 

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1時間と少し待ったけど、これを普通列車の旅の途中に食べられるなんていいねえ

 

お腹を満たして電車旅に復帰

途中東海道線の新駅、御厨(みくりや)駅

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豊橋に着いたのは23時ごろだったかな

明日から始まる旅に備えて、ネカフェでしばし睡眠をとる(中々眠れなかった…)

 

 

2日目

 

おはよう!豊橋の空は広い!

 

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豊橋といえば東京と福井(自分の地元)との中間点で、18切符で往復していた時は名古屋方面への新快速の出発点

旅の折り返しを思わせる、海が迫る三河の中心駅

 

そして、そんな豊橋駅から今日は渥美半島に進もうとしている!

一人旅だから気分は落ち着いていたけどわくわくしていた。どんな景色が広がっているんだろう。

 

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初乗車。豊橋鉄道渥美線

豊橋駅伊良湖岬を結ぶ交通の出発点だ

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途中田原までは鉄道が通じており、田原からはバスに乗り継いで岬を目指す

電車とバスを乗り継いで旅をするなんて深夜特急さながらだ、とか思いながら異郷の地に思いを馳せる

 

寝落ちしながらも三河田原に到着。進むほどに空は広くなり、太陽も高くなってくる

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田原駅。ここからはバスに乗り継ぎ

 

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バスのお客さんはちらほら。心なしか旅人の雰囲気を彼らから感じ取った

旅情とはこういう、大街道から分かれた場所にこそ溢れているのではないかなあ、などと自分が進んできた道のりを回想

 

車窓が海を映し出し、バスは細長い半島を西へ向けて快走していく

何にも邪魔されない空の色

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そしてバスで1時間ほど、ついに渥美半島の果て、伊良湖岬に到着!

 

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伊良湖岬灯台

 

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美しい海と、彼方に臨む伊勢湾のいくつもの島々

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ここからは船に乗り継ぎ伊勢湾へ繰り出す。 

 

それにしても綺麗だ!

 

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伊良湖岬。道の駅で切符を買い、船に乗る。

道の駅本体は感染症対策のためと言って閉館していた。仕方ないよね・・

 

さて、バスが到着してから船の出港まで2時間程度あったので、岬の散策に出掛けた。

渥美半島の先端にあたるわけだが、伊勢湾に浮かぶ島々が見えるということもあり、物寂しさはない。

これから向かう先が海を隔てて見渡せるというのはなんとも旅情が高まるもの。

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伊良湖岬灯台。『潮騒』にも登場する、伊良湖水道の道標となる本州側の灯台だ。

小さく、ぽつんと立っている無人灯台である。

 

まだ神島に渡ったわけではない。しかしここからでも、潮騒の気配はもう十分に感じられた。

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美しい海の景色

 

そして何より、時間の流れがとてもゆっくりしている

時間を忘れて波の音に耳を済ましながら、静かに落ち着いた場所の雰囲気に身を委ねていた

 

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釣りをされている方が多かった。興味がある自分としてはなるほど、こういう場所でするのかあ、という感想

 

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海釣りの場合ライフベストは必須のようだ

 

船の時間が迫ったので、足早にフェリーターミナルへと急ぐ。

 

伊良湖岬に発着しているフェリーで一番メジャーなものは、鳥羽と伊良湖岬を結ぶ伊勢湾フェリーだろう。

しかし今回伊良湖岬から乗る船はそれではない

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伊良湖→神島の直行便があるのだ!

漁船みたいでなんか風情あるし隣の巨大なカーフェリーと比べれば何とも愛着が湧く

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乗り込んでみると天井が低く、海面が近い。こんな船旅は想像以上だ

 

波を蹴って海上を進めば、

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景色が見えてきた…!!

 

そしていよいよ、神島上陸!

 

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三島文学の碑がお出迎え(島の入り口にありました)

 

到着したところで『潮騒』の冒頭を読んだ。

 

〜〜〜

 

 歌島は人口千四百、周囲一里に充たない小島である。

 歌島に眺めのもっとも美しい場所が二つある。一つは島の頂きちかく、北西にむかって建てられた八代神社である。

 

〜〜〜

 

着いて早々、ここは自分が普段住んでいる場所とは違う時間が流れている、と感じて、目一杯に空を見上げてその空気を全身で感じようとした。

 

漁村だ。しかも離れ小島の。太陽が降り注いで、地面のアスファルトが温かい色味に照っていた。

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神島のメインストリート。とはいえ舗装路は1kmも続かない。センターラインがある道はこの島には存在しないし、車などはそもそもほとんど必要ないのだと後で宿の女将さんから教えてもらった。

 

チェックインまではまだ時間があったので、さっそく島の名所巡りへ。

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なんて表現すればいいのか、この島、平地がほとんど存在しない!

ゆえにさっき言った舗装路から少し外れればもう島の中央へ向けて延々と登っていくのみなのだ。

 

 

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しかも、その道は家々を縫うようにして通されている、人一人が通るのがやっとのところもあるような軒下道なのだ!そんな道が集落を抜けると山道に変わり、島の反対側まで通じている。

 

さて、ここまで書いて更新が2年以上滞ってしまっていました。

神島はとてもいいところだったのでいずれ再訪し、記事としても改めて続きを書けたらと考えています。

お読み頂きありがとうございます。

(2023.3.14追記)