小松ー羽田の住人

福井県と東京都を軸に活動しています。自転車に乗ります。

旅先での写真について

旅先で写真を撮る、家に帰ってタブレットの大画面で見返す、という作業はとても好きで実際よくやるんだけど、旅先の想像を自分の中で膨らませた時に起こる高揚、ワクワクが、画面を見ていても今ひとつ起こってこないということに、近頃自分は物足りなさを感じていました。

何というか、人の情感が伝わってこないのです。人が写真に写り込んでいるいないという話ではありません。写真が綺麗に残りすぎて、残すのが簡単すぎて、写真を前にした時、過去を思い返す楽しみをもはや僕自身が放棄してしまっているような気がしてきたのです。

どうしたらこの空白を埋められるだろうと考えたとき、ちょうど九州の情報収集をしようとサイクリング部の部誌を読んでいた時のことを思い出したのですが、自分で想像力を働かせながら、過去を追体験しようとした経験が、自らの記憶に愛着を持たせるといったことがあるんじゃないか、と考えました。同時に、ゴールデンカムイアシリパさんが、映画のフィルムと父のしてくれた話を引き合いに出して「やっぱり自分で大切にする気持ちがなくては、残っていかない」と言っていたことを思い出しました。